チームマネージャーコラム4

レポート4
825日水曜日
今日は奈々枝ちゃんの女子ボーリングシングルスと、戸塚さんの男子テニスシングルスだ。一眼レフを持ち、決定的瞬間をとり続けている倉田君に、奈々枝ちゃんの活躍とハラハラするお母さんの様子をばっちり撮ってきてもらおう。コーチは勝文さんがついているから頼もしい。昨日配られた会場割りで、4つもあるボーリング会場のうちどこに行くかを確認しておいたのだけれど、僕はテニスの方に付き添うことにしたので、間違えずにいけることを祈るしかない。戸塚さんが2台借りてきたWiFiの一台を倉田君に託して経過報告をしてもらうことにした。
テニスは屋外のクレーコートで行われる。南米はクレーコートが多いとのことだ。大会3日目の今日は天気が崩れ、あいにく朝から雨だ。僕らは雨模様の空を心配そうに見上げながらテニス会場行きのバスに乗り込んだ。ほどなく大会の横断幕が掲げてある会場に着いたが、案の定コートには水たまりが。しかし、運にはまだ見放されず、天気は徐々に回復してきた。2時間半遅れで、試合可能となったコートから試合を開始し、6ゲーム先取制の試合となった。最初の対戦相手は、アルゼンチンのカットマンだ。弾まないコートということもあり、我らが戸塚さん、苦戦の末惜敗であった。彼は英語がほとんどできなかったが、戸塚さんは和やかなムードでコミュニケーションを取っていた。なにを話してたか聞くと、「相手に何歳か聞いたら、18歳というから、なるほど、移植してからの年が最初に思いつくんだなとわかったよ。」とのことだった。選手たちは今テニスしていられるのも、移植した腎臓のおかげといつも感じているのを感じる一幕だった。

そのころ、倉田君からメールがあり、奈々枝ちゃん現一位の報。それって、金メダルってこと!?テニス班大いに喜び、第2戦目に臨んだ。二戦目の開いてはスロバキアの強豪。戸塚さんは、彼が前々回の大会のメダリストだったことを覚えていた。これはなんとしてもがんばらねば。奈々枝ちゃんのボーリング班が意気揚々と応援に駆けつけてくれた。これは心強い、勝ったも同然だ!
試合はお互い一歩も譲らぬ展開となり、ロングショットの打ち合いかと思えばネットにも付き、ブレークにはブレークで返して、8ゲーム終了の頃には死闘の様相を呈してきた。頑張れ戸塚!そして相手の息が上がってきたとみるや、猛然と前に出てスマッシュを決め、鮮やかな勝利を収めたのであった。あっぱれ、戸塚!!!優勝にも匹敵する勝利と歓喜に沸いた我らであったが、予選2勝でないと決勝トーナメント出場に進めず、悔しくも会場を後にしたのであった。ちなみに、初戦のアルゼンチンの彼は銅メダルであった。このテニス会場はハーバーにもなっており、試合の合間に散歩した仲間が、なんと海からあがった黒いトド(セイウチ?)に出会った。話を聞いて、見に行ったが既に立ち去った後であった。ここマルデルプラタの象徴的動物とされ、巨大な石象なども海岸に飾られているから、地元では珍しくないのかもしれないが、通りがかりの人が「ラッキーだね、でも近寄っちゃだめだよ」といって写真を撮ってくれたそうだ。ちょっとうらやましい。

朝と晩の食事は、ホテルの大会場で参加者みんなが一緒にとる。各国のチームがテーブルにつくと、給仕さんが料理を運んできてくれるのだ。前菜と料理二皿とパンとデザートだ。お、なかなかいいぞ、と思ったのだが、僕のようにおおらかな舌を持たないメンバーから段々不満の声が。うーん、確かに味が薄い。アルゼンチーナは薄味好きかと思ったら、移植者ということで(超)減塩にしてあるようだ。それに、名物の牛肉が大会4日目になっても出ないので、本日は夕食を外食とすることにした。ボランティアでたくさんのアルゼンチンの若者が世話をしてくれている。大会のロゴが入ったパーカーを着ているから、分かりやすいし、声もかけやすい。ホテルから出るとき一緒になった男性に尋ねると、気安くリーズナブルなレストランを紹介してくれた。アルゼンチン名物として牛のステーキと牛のカツ、それからサーモンなどを頼み、特産のマルベックのワインを少々いただいた。デザートは、隣の人のどでかいパフェを見ながら、アイスクリームを可愛らしくいただいた。うーん、実は、アルゼンチン料理はとってもうまいのであった。

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